『このマンガがすごい!2021』オトコ編の1位を受賞。
単行本累計が930万部を突破している藤本タツキ先生原作の「チェンソーマン」11巻が発売しました。
ネタバレありなレビューをしていきます!
11巻のあらすじ
不死身のマキマに追い詰められるデンジ。
パワーやポチタの想いと共に最終決戦が繰り広げられる。
第一部公安編が完結。
相変わらずなコベニちゃんだけど
公安を辞めたにも関わらず、ハンバーガー屋で襲われ、ダンスゲームをやらされて、マキマから狙われるコベニちゃん。
相変わらず理不尽な目にあって可哀想ですが、この漫画の癒しどころでもあります。
コベニちゃんが家族と離れる理由ができて良かったと吐露するところは少し重たいです。
そんなコベニちゃんがデンジに
「ヤな事がない人生なんて………夢の中だけでしょ……」
「普通になりたいの?」
この言葉がデンジの心に深く突き刺さります。
そしてテレビで称賛されるチェンソーマンを見ながら、デンジは心から欲望を叫びます。
個人的に好きなシーンの一つになりました。
正ヒロインはパワー?
「血の悪魔」の魔人のパワーちゃん。
10巻で悲しくも離脱と思われていましたが、ポチタの助言でポチタを食べて復活します。
一瞬マキマに流されそうになりますが、デンジを救います。
友達だから助けたい。
そしてまた自分を見つけにきてくれ。
諦めかけていたデンジの気持ちを復活させてくれます。
これが正ヒロインパワーな訳ですね。
第一部クライマックスにして初めて見た、愛という関係なのかもしれません。
マキマとの最終決戦
復活したデンジはあらためてマキマさんの元へ。
マキマは「支配の悪魔」で内閣総理大臣との契約によりマキマへの攻撃は日本国民へ変換されます。
ほぼ不死身な訳です。
やはりマキマの力の前に敗北かと思われましたが、デンジが不意打ちを喰らわせます。
マキマが見ていたのはチェンソーマンで、デンジでは無かった。
デンジはそこに賭けてマキマの油断を誘い攻撃することに成功します。
さらにパワーから貰った血を使い、マキマの治癒力を遅らせます。
マキマが溺愛してたのはチェンソーマンだった。
なんかむなしくもしっくりくる終わり方だと思います。
後日不死身のマキマを殺すために、マキマの肉体を調理して食べます。
何言ってんだという話ですが、とにかく食べます。
生姜焼き、味噌汁、ハンバーグ、ステーキ…
マキマには攻撃が効かないとそいう契約内容の認識をずらして、マキマを身体に取り込むという方法を選んだのです。
いやはやほんとに凄い締めくくりです。
ナユタの存在
チェンソーマンは「支配の悪魔」ナユタを岸辺から預かるように言われます。
そしてポチタは言います。
自分の夢は抱きしめてもらうことでその夢をデンジは叶えてくれた。
だから支配の悪魔の夢も叶えてあげてほしいと。
支配の悪魔は恐怖でしか関係を築けないため、家族のような関係を憧れていた。
そしてデンジはナユタを抱きしめます。
この後はナユタとともに家族として過ごしていくと思いますが、どうなるか気になります。
転生してきていると思うので本来ホラーな展開ですが(笑)、マキマの想いが繋がり、デンジに新たな家族ができたと思うと良い終わり方ですね。
まとめ
公安編が終了しました。
チェンソーマンってとにかく人が死ぬし、わけわからん勢いまかせな展開だな〜って思っていましたが、また少し違う気もしてきました。
デンジが現代の苦しむ若者の叫びを代弁してるようで、自分も含めて散らばったメッセージ性に刺さる人が多いと思います。
支配の悪魔という世界や社会に圧をかけられながら、生きていく。
コベニちゃんが言うようにそれが普通じゃない?と。
ぶっ飛んだキャラクターのようで出てくるキャラクターはみんな現代の生々しさを表しているように思います。
こんな形で愛を語る作品に出会えたことが嬉しいです。
まだまだ続編がありますが、これからどう表現していくか期待したいと思います。
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