『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のネタバレ記事となりますのでご注意ください。
渚カヲルはエヴァシリーズに登場するフィフスチルドレンであり第1の使徒。
美少年なルックスとミステリアスな雰囲気で人気のカヲルの正体は何だったのか考察していきます。
シンエヴァまでの主なカヲルの行動
渚カヲルのセリフでループ発言
エヴァはループの世界と言われるのは、この渚カヲルの発言や存在から始まったと言ってもいいでしょう。
新劇場版「序」では
「また3人目なんだね。逢えるときが楽しみだよ。碇シンジ君」
まだシンジに会う前の発言でありながら、すでにカヲルがループしてるような表現です。
新劇場版「破」では
「さあ約束の時だ、碇シンジ君 今度こそ君だけは 幸せにしてみせるよ」
いきなり登場してシンジと初対面でこのセリフです。
自らループを公表しているようなものです。
ゲンドウの計画にはめられてしまった
カヲルは「破」でサードインパクトを阻止しました。
使徒であるカヲルは本来サードインパクトを起こしにいく存在なわけですが、ここにカヲルの意志が見えます。
しかし「Q」ではゲンドウの思わくで、カヲルが自爆することになります。
本来第1の使徒(カヲル)はアダムスの為、ゼーレとリリスとの契約には本来影響しない存在です。
ゼーレとリリスの契約とは…
アダムス(第1の使徒)とリリス(第2の使徒)以外の10体の使徒をせんめつすることでサードインパクトを起こせるという内容です。
しかしゲンドウの計画でカヲルは第12の使徒に侵食(カヲルが何かおかしいと言ってたのに、無理矢理槍を抜いたシンジも問題)
結果、第1の使徒から第13の使徒へと堕とされてしまうのです。
カヲルの搭乗していた13号機が覚醒。
↓
カヲルのDSSチョーカー発動。
↓
カヲルが自爆(使徒してせん滅)
↓
フォースインパクト発動条件達成。
カヲルは自爆する際に
「はじまりと終わりが同じわけだ。さすがリリンの王、シンジくんの父親だ」
とゲンドウの計画を悟っています。
さらにカヲルは
「そんな顔をしないで。また会えるよ、シンジ君」
と発言することからもループによって会えることを示唆します。
カヲル=ゲンドウだった説?
「Q」までのカヲルがシンジのことを好きで救いたいと思ってくれている存在なのは分かりましたが、それでもまだ謎のまま。
しかしシンエヴァでの行動でカヲルはゲンドウのクローン(または投影した姿)ではないかという説が浮かび上がります。
ピアノが好きという共通点
「Q」でカヲルがシンジと共にピアノを弾くシーンがありました。
シンエヴァではゲンドウの若い頃の回想シーンがありますが、孤独なゲンドウは唯一音楽(ピアノ)に心を許していた描写が出てきます。
このシーンは初出しなので、若干強引なのですが、それが故にカヲル=ゲンドウを強調したかったのではないかとも思われます。
S-DATを修理
新劇場版でシンジが聴いてるウォークマン「S-DAT」
これはゲンドウから貰ったものだとされています。
音楽は外界からの情報を遮断して自分を守ってくれると言っていました。
そんな「S-DAT」のトラックは誰かの手に渡っても必ずシンジの元に戻り、そしてトラックが進みます。
トラック25〜26→マリとの初接触で27に進む。
これはアニメ最終回26話→新劇場版
と変化したというのはよく言われています。
このように「S-DAT」は『並行世界』を表しているのではないかと思われます。
「Q」では「S-DAT」をシンジが壊しますが、カヲルが修理して渡すというシーンがあります。
カヲルが壊れかけた時間を再び動かす、もしくは修正するといった意味を持ち、ゲンドウとシンジの関係を繋げた役割もあったのかと思います。
シンジとカヲルの会話から
シンエヴァ終盤でシンジとカヲルが会話をします。
シンジは
「カヲルくんは父さんと似ているんだ。だから、同じエヴァに乗っていたんだね」
ゲンドウとの会話の後のシーンですから、単純に似ているというより投影された姿を感じた発言かもしれません。
カヲルは
「僕は君の幸せを誤解してたみたいだ」
シンジを思い行動してきたカヲルの発言ですが、これもゲンドウの行動に近いものがあります。
ゲンドウはユイを失い孤独になりました。
そしてシンジと距離を置くという選択を選んだのです。
それは自分の為であり、シンジの為にと選んだのですが、それは結果的にシンジの幸せへには結びつきません。
空回りしていた行動がカヲルを通したメッセージになっていたと思います。
カヲルと加持リョウジの会話から
シンエヴァでは場面はそのままカヲルと加持の会話になります。
マイナス宇宙ではありますが、舞台はNERVの司令室と海洋生態系保存研究機構の中です。
加持は
「渚司令。あなたはシンジ君を幸せにしたんじゃない。それにより、あなたが幸せになりたかったんだ。」
と発言します。
これもまたゲンドウの思い違いを指摘しているのではないかと思います。
そして気になるのは『渚司令』です。
これはゲンドウの別姿であるカヲルへ、加持が司令と口にしたと自分は思いました。
しかしこれには別説の可能性(ゼーレ側の上下関係)の方も充分考えられます。
同じポーズをしていた
カヲル=ゲンドウ説を内側から探しましたが、表面的に見れた部分もあります。
シンジ初号機とゲンドウ13号機で戦うシーンでは13号機がカヲル初登場シーンのポーズを決めていました。
カヲルの魂が取り込まれていたからかもしれませんが、明らかな主張にも見えました。
ラストシーンで考える
ラストの駅のホームのシーン。
詳しくは描かれていませんがレイとカヲルが並んで話している描写があります。
レイはユイの遺伝子を元にしたクローンの姿であり、カヲルがゲンドウを元にしたクローン(投影した)姿と考えると2人が並んでいるのはユイとゲンドウが再会できた絵なのではないでしょうか?
まとめ
カヲル=ゲンドウ説を考察してきました。
カヲルはシンジを一方的に愛して、ゲンドウはその真逆のような行動を取っています。
ですがこれはゲンドウの表と裏で表したシンジへの愛情であり、示した姿なのではないかと思いました。
以上で終わりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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